スパイスと金キラのスーク(市場)へ



>>Spice Souk
 スーク(市場)は、私がドバイで行きたかった場所のひとつ。さっきアブラに乗る前に撮った写真の対岸、近代的な高層ビルの足元に、いかにもアラビアンな市場が広がっていようとは、旅行者には想像できまい。


 今は地元の人間向けというより観光客向けになっているようだが、それでも独特の「ヤバさ」と「アラビア感」が、これでもかと楽しめる。まずはスパイスのスーク(市場)から。


 スークに足を踏み込んで「わっ」と思うのは、その匂い。カレー粉に花の香りや線香の煙、柑橘系やハーブが混じったような、ひどく複雑でエキゾチックな臭気が襲ってくる。


 それもぞのはず。暗くて狭い通路の両側に、間口の狭い小さな店がギュウギュウひしめきあい、それぞれにめまいがするような種類のスパイスを売っているのだ。世界にはこんないっぱいのスパイスがあったのだと、感動する瞬間。

 実はこの日は休日なので、スークも半分以上が閉店していたけれど、いくつかの商魂たくましい店が開けていた。右の写真は、その内部。店の前の樽に盛られた色とりどりのスパイスも迫力ものだが、狭い間口を入ると広がる光景は、とんでもなくエキゾチックで異質なものだ。

 ぐっと寄った図が左。


 スパイスの瓶詰め、豆、お茶、線香、なんだかよくわからない香油、クッキーやデバイ名物のチョコデーツ(デーツ=なつめの実にアーモンドを詰め物にし、チョコでコーティングしたもの)、あれやこれや。

 私はここでアラブの人には欠かせない「乳香(フランキンセンス)」を購入。これは樹脂の一種で、炊いてお香にする他、食べて薬の代わりにもなる。ただし上等なものしか美味しくないので、「ちょっと食わせろ」
「まけろ」「もっとまけろ」の攻防戦の結果、100g瓶を半値(500円くらい)でゲット。


 この他、スパイススークには小物や工芸品、スカーフだらけの店や、アバヤを売る店、様々なショップがひしめいている。

 右の店は、シーシャ(水煙草)の専門店。シーシャパイプを買おうかどうかずいぶん迷ったが、煙草を吸う習慣がないことと、炭火を起こす面倒からパスした。値段は2000円程度から上は細工によって際限ない。
 ちなみにこの水煙草、普通の煙草とは全く違う香りがする。林檎、レモン、ピーチ、シナモン、ミント…まるでキャンディーのようなフレイバーがついていて、カフェのシーシャルームからは、ふわっと甘い香りが立ち上る。1時間ほどかけて、ゆったり社交の場で楽しむものなのだそう。



>>Gold Souk

  「スパイススーク」から歩いてわずかな距離にある「ゴールドスーク」。こちらは見てのとおり、金の取引がされている市場だ。



 日本でも御徒町などに金の店が並んでいるが、その量と派手さがドバイはすごい。もともとこちらでは、金を財産として蓄財するためか、子供でも金の首輪をつけていたり、アクセサリーの好きな民族のようだ。

 特に多いのがバングル。ご覧のように果てしなく腕輪の列が続く。値段は交渉しだいでかなり変化するらしく、高いものほど値引きも大きくなる。自分の好みでデザインしてくれる店や、宝石を扱っている店など、光り物に目のない女性には、非常に興味のある場所だろう。逆に私のような貴金属に興味のない人間にとっては「へぇ」で終わる(笑



 ところで、スークの近隣で多く見られた、「ただ座っているだけ」の男性たちについてガイドさんに聞いてみた。すると、
 「あー、あれは休みの人たちが涼んでるんです。家は暑いの。出稼ぎは冷房もない部屋にいっぱい住んでるから」

 なのだそうだ。うまく勤務時間や休みが分かれればいいが、そうでなければ自分の家で眠れない悲劇もあるそうで、それでもドバイには、その苦労を上回る魅力があるのだろう。
 

 最後に、スークの中のジューススタンドで生ジュースを飲んでみた。ドバイは暑い国だけに、水分補給は大切。あちこちで水が安価で売られているほかに、こういう生ジュースの店も多い。ただし、値段は贅沢プライス。水は一本60円なのに、こっちは500円を軽く超える。

 頼んだのはドバイ名物「レモンとパセリ」。日本でイタリアンパセリと呼ばれる平たい葉のパセリとレモン、砂糖やはちみつなど入れたヘルシーな定番の味なのだそう。ちょっと私たちの舌には慣れない味だが、いかにも体によさそうな気がする。この他に、様々なフルーツのジュースやそれらをミックスしたもの、椰子の実も置いてあった。


気温40度超えの中、街をめぐる



>>Jumeirah Mosque
 スークを出て車で西へ向かい、やってきたのがジュメイラ地区。ジュメイラとはアラビア語で「美しい」という意味で、海沿いに開発された町並みは、その名にふさわしい景観を誇っている。

 その中でもひときわ目を引く白亜の建物が「ジュメイラモスク」。一般的にイスラム圏では異教徒がモスクに立ち入ることは禁じられているが、このモスクは条件付で見学が許されている、ドバイで唯一のモスクだ。

 ただしこの日は休日に当たるため、残念ながら中は見られず写真のみ撮影。見学希望者は、毎週木曜日と日曜日の午前中のツアーに参加のこと。イスラムの基本理念を説明してもらえるそうだ(英語のみ)

ちなみに参加料金は10ディルハム(約300円)。服装規定があり、女性はスカーフ着用(モスク受付で無料貸し出しも)。イスラムでは髪は性的な意味があるとかで、必ず女性は隠さなくてはいけない。もちろんキャミや短パンなどもご法度だ。

>>A shopping mall(name unknown)

  次にやってきたショッピングモール。名前は不明(笑)ガイドさんが「トイレ行く方はこちらで。○分後に集合です」と言っていたので、観光地ツアーにお決まりの「お土産物屋さんに案内」のパターンか。

 無名なモールらしく、階層は3階+地下駐車場。客はほとんどなし。インド系と中国系のショップばかりなので、わざわざドバイくんだりまで来て買うようなものがない。仕方がないのでトイレ見学。

 出た、アラビア方式。一応は外国人が多く集まるモールなのでペーパーもあるが、やはり洗浄ノズルが。ここでは便器が西洋式だけど、和式に近いのがアラブの本式であるもよう。要するに日本のウォシュレットと同じ考え方だ。金持ち国家なら、いっそ機能便座にすればと思うのだが、そこは宗教と慣習の上から、譲れないものがあるのかもしれない。


  モールの中にあった、じゅうたん。大きさは2帖くらい?なんだか空飛ぶじゅうたんみたいと思って眺めていると、ガイドさんが後ろから「よーく見てください。近くに行って」というので、ずずいとズームアップ。

「ん?なにかついてる。」

 そう、ごろっとした石のようなものが、豪華な金糸の刺繍がほどこされた上に、びっしりと飾られている。もしかしてこれ…

「全部、宝石です」「ぎょえ~~~!」

 ホイッと展示してあるけど、値段は高級車が軽く買えるほど。もちろん石がついているので、この上に座ることはなくて、壁掛けなどに使うそうだけど、やっぱりアラブはすごい。お金持ちのケタが違う。


>>Burj al-Arab

 お金の匂いのするモールを出て、さらにお金持ちの集うジュメイラビーチへ。この一帯は外国人むけの高級宅地開発が進行中で、海に突き出た「パームジュメイラ」は、よく日本のテレビでも取り上げられている。椰子の木の形をした世界最大の人工島で、ビル・ゲイツやベッカムの別荘があることでも有名だ。

 驚いたのが、海の美しさ。ドバイとビーチリゾートはいまいち結びつかないイメージだが、ペルシャ湾は沖縄に匹敵する透明度を誇る。ただし熱波と紫外線が強く、長時間は肌をさらせない。


 そのジュメイラビーチの中でも、際立つのが「バージュアルアラブ」。世界最高、7つ星のホテルで全室がスイート。宿泊客かレストランの予約をしていないと入館さえできない。室料は一泊35万円からとも言われ、客の大半を占めるセレブたちは、1週間や1ヶ月滞在することもあるとか。

 ちょっと恥ずかしかったのが、このホテルのバーに80万円のカクテルがあるそうだが、それを飲んだのが…

「カンダウノ!とても有名デース」

 ドバイでは一番知られた日本の芸能人だそうで、あれが日本のスタンダードと思われたらどうしようと、心配になってしまった。

ちなみにホテル内部はこちらがとても詳細
http://www.tabisuki.jp/DUBAI/DUBAI_1.htm



アブラ(渡し舟)でクリークを渡る






>>Half day trip
 さて、いよいよドバイの街へGo!宿泊ホテルの話は(色々あったので:苦笑)後述するとして、今回はストップオーバーで時間が限られているため、ガイドさんをお願いして半日観光に行くことにした。日本から5000円~程度でオンライン予約でき、ドバイの名所を一回りしてくれるので初めての観光の人にはお得で便利。もちろん、現地に着いてからでも山ほどツアーがあり、空港やホテルで簡単に申し込める。ただし案内は英語オンリーだ。

 ドバイの観光名所は、古いものに関してはクリーク(運河)沿いに発達した村の名残から、今もクリーク西岸のデイラ地区がメインになる。反対にモールや高級ホテルなど新しい施設は、海沿いにデイラから西側に伸びている。まずは、クリーク周辺の旧名所へ。

>>Dubai Museum

 この日私を案内してくれたのは、エジプト人のイケメン兄ちゃん。(ごめん、名前忘れた)日本語ペラペラで、身長190cmはあろうか。ドバイの多くの男性が着るカンドーラ(またはディスターシャ)というロングシャツが涼しそう。

 ホテルからバンに乗り込み、まず目指したのは「ドバイ博物館」。サンゴ岩で出来た要塞のような建物で、以前は首長が住んでいたそうだ。大砲とか置いてあって、ちょっと怖い構えなのだが、内部はわずか3Dh(1Dh=ディラハム:約30円)でドバイの歴史や風俗を学べる歴史博物館になっている。


 ところが!この日はなんと休館日…(涙)ドバイの休日は毎週月曜日。敬虔なイスラムの方々は、きちんと休息日をお守りになるようで、なんとまあ間の悪い日に来てしまったものか。

 仕方がないので、外観を撮影だけして退散。今からドバイに行く皆さん、この月曜休日を頭に入れてから、ぜひスケジューリングを。ちなみに、ドバイを日本では「デュバーイ」と発音する人が多いけど、現地の発音は「ドゥーバイ」。日本式の発音では通じない場合もあるので、ちょっと注意。

「ドバイ博物館/Dubai Museum 」 http://bit.ly/76mW8P


>>Dubai Creek

 ドバイ博物館から目と鼻の先。いよいよクリークが見えてきた。けっこう幅が広い。海から流れ込むので、砂漠の国なのにたっぷりと水をたたえて、波もなく優雅に船が行き来している。

 現代では橋がかかり、空港のある対岸とデイラ地区は車で行き来ができるが、昔はアブラと言われる渡し舟が、唯一の交通手段だった。そのアブラに乗ってクリークを渡る。もちろん現地の方々と一緒だ。かなりわくわくする!


 船の料金はガイドさんがまとめて払ったので、いくらだったか不明だが、労働者の足なのでおそらく安いはず。ドバイはお金持ちの国と思われているが、労働階級は貧困に苦しむ人が多いので、交通費や水などが安い。ホテルのレストランでペットボトルの水を買ったら2Dh(60円)だった。(ただし、コーヒーは500円)

 左がアブラの船内。乗ってる地元民は、ほぼ男性。やはり女性は街中にも少なく、アバヤ(イスラムの女性用衣装)に覆われていない外国人は、遠慮なしにジロジロ見られてしまう。宗教上、仕方ないことではあるが…なんてことを考えているうちに、船が動き出した。


  この日の気温は午前中で40度近くあったのだが、クリークの上は爽やかな風が吹き抜ける。思った以上に水もきれいで、魚もいっぱいいるのだそうだ。

 船の中でちょっと面白いものを発見した。天井に設置されている救命胴衣。(右)規則なのだそうだが、迅速に使えない高さにあるし、きっと同乗の紳士たちは、こんなものはつけずに泳いで川を渡りそうだと思った(笑)
 そして、船は対岸へ到着。旧ドバイの匂いたっぷり、スーク(市場)へ突入!











ドバイ国際空港


>>DUBAI International Airport


 飛行機を乗り継ぎ、やってきたぞドバイ国際空港。別に空港に来るのが目的ではないけれど、テレビ番組でも盛大に取り上げられている、金満ドバイの象徴とも言えるゴージャス&ビッグな国際空港。いやはや、一見の価値あり!そのごく一部をご紹介…

←どうでもいいけど、上から3列目。国際線乗り継ぎゲートの掲示板で、ちょうどマルタとラルナカが回転する瞬間をシャッター遅くして撮影に成功。しかしこの行先のバラエティときたら(笑)



 飛行機を降り、トランジット手続きを済ませたら、いよいよ空港内へ。ドバイ空港は旧建物ターミナル1と、新建物ターミナル3がメインで、ドバイ離陸の大半を占めるエミレーツ航空の国際便は、殆どがターミナル3から離発着する。

 今回も日本からの便は3に到着。入った途端、そこはショッピングセンターのようなムード。細長いターミナルの中央に大きな通路があり、その横にズラリとショップがひしめいている。数軒に一軒はDFSだが、その他は民族系や雑貨、本などバラエティ豊か。

 中でも目に付いたのが、ハイテク電子機器のショップだ。この頃は日本で発売ギリギリ大騒ぎ状態だったAppleのiPadも、ご覧のとおり普通に陳列されていた。しかし全く不人気で(笑)、地元や欧米の客はブラックベリーとノキアに群がっていた。


 私にも店員が「ノキア欲しい?日本でも使えるよ」と、嘘か本当かわからないトークで迫ってきたが、怪しいのでPC売り場に逃走。こっちも日本とは品揃えが違う。DellとHPが多い。付属品とか可愛いのがあるんだけど、使えなかったら困るから買えずに悔しい。ちなみに値段は日本のほうが少し安いみたい。





 右のスタンドは、空港内あちこちにある充電スタンド。アダプターさえあれば、PCや携帯電話を自由に充電できる。また、空港内はすべてWiFiがつながっているので、充電しながらインターネットをしている人も多かった。中には充電しながら、近くの椅子で寝ている人も(驚)

 しかし、お金持ちドバイでは「モバイル持ってて当たり前」な空気だからか、空港内に一箇所もインターネットカフェが見当たらない。私は手ぶらで行ったので、案内所で「どこかPC置いてるとこない?」と聞いてみると、「ターミナルの西と東に一箇所ずつ、公衆PCブースがある」とのこと。

 しかし、行ってみると満員御礼で誰も動かず。乗り継ぎまでには時間があるし、仕方がないので空港内の探索へ出かけることに。

 左の写真は空港内あちこちにある庭園。ちゃんと土が入って普通の公園のように植樹してある。スプリンクラーもあるようで、いったいいくらかかっているのか。中にはベンチもあって、本を読みながら寝ている人もいる。

 さらには、見つけられなかったけど、空港内のどこかには日本庭園もあって、メデティーションの場として「クワイエットゾーン」となっているとか。




 右は、シーフードとシャンパンのスタンド。ヨーロッパの国際空港だと、フロアのいい場所にあってオシャレなお金持ちさんが、牡蠣やサーモンなんかでフレシネを楽まれる光景がお馴染みだが、やはりそこはイスラムの国。お酒を飲む場所はターミナルの端っこみたい。他のアルコールを出す施設も端っこに集まっていて、時間帯によるだろうけど、閑散とした印象だった。たぶん、値段はドバイ料金で恐ろしく高いのではと想像する。

 では、ターミナルど真ん中には何があるか。そう、ドバイ空港といえばお約束のバブリーくじ!!

 高級車が1/1000の確率で当たる「ドリーム・カー」15,000円と、1/5000の確率で100万ドルが当たる「ミレニアム・ミリオネア」30,000円の2種類あって、もし車が当たったら日本まで輸送してくれた上に、表彰式に出席するためにビジネスクラスの往復の航空券と一流ホテルの宿泊券までついてくる、超太っ腹企画!車の場合、1000枚くじが売れるごとに抽選となるので、確率が一定なのも嬉しいところだ。


 帰りの待ち時間で、フライトまで長かったので軽食に買った「ラップ」。私は和食が大好きだけど、旅に出たらその土地のものを食べることを含めて旅だと思っているので、最後まで現地食。

 きっとアラブの言葉では他の料理名なんだろうけど、街のあちこちでもスタンドを見かけた気軽なサンドイッチ「ラップ」。中身は羊の肉とにんじん、ヨーグルトとミントのソース。いかにもアラブの味らしく、香辛料とハーブがハンパない。これをコーヒーショップで温めてもらい、ダイエットセブンナップと合計で1000円程度と、空港値段。

←ちなみに、ここでお召し上がりww
  
 ドバイ空港は、暑い日中を避けて発着が夜中~明け方に集中するので、トランジットも長期戦の人が多い。そこで、ターミナル各所にこういう寝椅子や、ふかふかのじゅうたんエリアなど、空港ステイができるように工夫がされている。

 私も食べた後は、しばし仮眠を取った。寒さ対策さえすれば、空港は最も安全に野宿ができる。そんなうちに離陸時間がやってきて、周りはツアーの日本人おっちゃん&おばちゃんだらけに。ここで旅は終わった感じ(苦笑)


 そんな楽しいドバイ空港に別れを告げ、機上の人に。離陸して、窓から見える景色を必死で撮影。これは唯一日中のフライトだった、行きのラルナカに向かうルート。それでもここまで視界が悪いのは、ドバイ上空に漂う霧だかスモッグだかのせい。(Googleの上空写真も、ひどく曇って見えにくい)

 右は、ドバイ市街中心地に近い部分。新しい街なので、基本的に旧市街以外は碁盤の目のように整備されている。



そして左の一枚が、天空の塔「バージュ・ハリファ」の航空写真だ。自画自賛になるが、これままさに「撮ったどー!」の世界。地理を頭に入れて、席の位置を調整したとはいえ、まさか探せるとは。


 この足元に見えるのが、ドバイで最大の規模を誇るドバイモール。中にはアルマーニ・カフェがあり、青く見えるプールでは、「ドバイファウンテン」という世界一の噴水が吹き上がる。そして、塔の中にはアルマーニ・ホテル。もう、何から何まで世界の一番が集結しているのだ。

 
 おまけ。パーム・ジュメイラを中心に開発されている埋め立て地区。


 さあ、次はいよいよ市内の様子へ!




エミレーツ航空

>>Emirates Airline

 今回は福岡から関空経由でドバイへ飛んだ。航空会社は初のエミレーツだ。近年、日本に乗り入れた会社で、金持ちドバイらしく最新エアバスを大量買いしたり、ハイテクを搭載して何かと話題になっている。

 チェックインカウンターから搭乗スポットまで、シャトルに乗っていくと、おお~、なんかアラブっぽいユニフォームのグラホさんが。外国のエアラインって、こういう文化の違いも楽しめてヨロシイ!
 ちなみに、この関空発は夜23時過ぎ出発なので、福岡の勤め人でも会社が終わってから国内線乗り継ぎで間に合う。あとは寝ていけるから、長丁場の便だと非常に楽だ。

 さて、いよいよ乗り込んで機内チェックタイム。まずはアメニティの内容をば。歯磨きセットにアイマスク、靴下(機内で日本人はスリッパだけど、外国人は靴下派が多い)、CAさんへのお知らせステッカー、それらが収納されるポーチ。ただしこのポーチは帰りの便ではもらえなかった。

 次は機内食メニュー。エミレーツでは、エコノミーでもちゃんとひとりずつメニューが配られる。ちょっといい気分。
 それが済んだら、エミレーツ名物ハイテクエンターテインメントパネル。これがすごい!


 各シートにテレビ、電源、USBポート、電話&キーボード兼用コントローラーが装備され、「テレビを見る」「映画を観る」「音楽を聴く」「ゲームをする」「買い物をする」「電話をかける」「メールを送信する」…以上が、すべて空の上でできてしまう!

 上記の機能は、 このコントローラーいっちょで網羅。今まで「携帯は電源落とせ~」と言われていた機内で、通話1分1USドル、メールも一通1USドルで送受信できるなんて、すごいことだ!

 さらには映画も600タイトル搭載。なんと、日本では封切館で上映中の「アリス・イン・ワンダーランド」が、英語&吹き替え両方で観られる仕様になっていて、隣のツアーのおばちゃんが「私、お金払うて見たやん!」とご立腹だった(笑)。日本語タイトルは少ないとはいえ、半日程度のフライトなら、飽きることなく楽しめそう。もちろん、音楽やゲームも映画同様に、キリがないほど積んであった。
 やがて機内食が終わってスリーピングタイム。まだ映画やゲームで盛り上がってる人が多いけど、とりあえず証明が落とされる…や、いなや!天井にプラネタリウムが映し出される。これ、けっこうロマンチック。

 この後、4時間ほどウトウトしたが、聞いていたとおりエミレーツの機内はけっこう温度低めなので、しっかり肌着を着こんで行って正解だった。座席のピッチは思ったより狭めで、ど平日の連休後にしてはイッパイイッパイ乗ってておどろいた。この前に乗ったブリティッシュエアはガラガラだったのに。

 ちなみに、エミレーツ航空では座席や機内の各所に封筒が置いてあって、手元の小銭を世界中の恵まれない子供たちに寄付できるようになっている。
 私もドバイから日本に飛ぶ便の中で、残ったダーハムとユーロを寄付してきた。お金の種類は何でもOK。封筒をCAに渡すだけなので、気軽にできるのがいい。
http://www.emirates.com/



>>in‐flight meals


 見たい人と、見てもオモロない人に分かれる機内食。往復分を一挙に並べてご紹介します。好きな方だけどうぞ~

右:日本からドバイ行き。メニューには「軽食」と書いてあった。

前菜:スモークサーモン、メイン:カワハギorビーフソテー、デザート:ラズベリームース、紅茶・コーヒー、希望者にはカップ麺

※私はビーフにしたが、となりのおばちゃんのカワハギ、あれはカワハギじゃなかった!英語でPacific Ocean Perch(カサゴの仲間)って書いてあるしw

左:朝食。上記の夜中の「軽食」からずいぶん間が空いた。

オレンジジュース、季節のフルーツ、メイン:ギンワレフーorプレーンオムレツ、クロワッサン、バター&ジャム、紅茶・コーヒー

※ギンワレフー(Silver warehou)、不気味だからオムレツにしたが、俵おにぎりの和食だったもよう。クロワッサン熱々で美味しい。普通のパンもついてくる。


 右:ドバイからラルナカ。時差と待ち時間の関係でもう一回朝食。

オレンジジュース、季節のフルーツ、メイン:マッシュルームオムレツor ブレックファストグリル、クロワッサン、バター&ジャム、チーズ&ビスケット、紅茶・コーヒー、普通のパン

 ※この前がオムレツだったので、今度はグリルにしてみた。肉と豆どっさりで、けっこうなボリューム!


左:スナック(ちょっとした軽食)

 ギリシャ風サラダ(フェタチーズが入ってる)とラム肉のラップサンドイッチ、ピーカンナッツのクッキー、ドライフルーツとナッツのパック

 ※完全に日本の匂いがなくなった感じ。ドライフルーツうまし。 



右:マルタからラルナカ。軽食

ベジタブルキッシュ、ローストビーフのロールサンドイッチ、季節のフルーツ、紅茶・コーヒー
※キッシュは熱々で美味しかった。飲み物は、マルタ発にはキニーが積んであるので、オーダーできる。
左:ラルナカからドバイ。しっかりとディナー。

ニース風サラダ、メイン:サーロインビーフステーキor チキンフェトチーネ、デザート:ハニーババ、チーズ&ビスケット、紅茶・コーヒー、チョコレート

※ビーフをチョイスしたけど、ステーキというよりシチューだった。ハニーババとは、蜜をかけたケーキみたいなお菓子。

右:ドバイから関空。一日あけて翌日の乗り換え便にて軽食。
そば、チキンカツとご飯、紅茶・コーヒー、チョコレート

※日本へ帰る便って必ず蕎麦か寿司が出るけど、正直いらない。和食が食べたかったら、世界中で食べられるのに、わざわざデレデレの蕎麦やカチコチのご飯を用意しなくていい。


左:朝食。あと数時間で日本、というところ。

季節のフレッシュフルーツ、メイン:和風or 洋風、クロワッサン、バター&ジャム、紅茶・コーヒー

※洋風をチョイス。チーズとトマトのオムレツ。和風はゆかりご飯とサーモン照焼。カチカチだと隣のインド人が嘆いていた(笑)

 以上、機内フードサービス。味はまあ外資系ライン平均というところだが、カトラリーが金属で袋入り、ホカホカのクロワッサンが美味しいという点は良いと思った。
 ただし、やはりイスラムの国の会社だからか、アルコールのサービスは「言えば出てくる程度」。搭乗後も欧米系のようにナッツの袋とカクテルワゴンではなく、いきなり食事のカートが回ってくる。もし、アルコールが飲みたい人は、紅茶かコーヒーか聞かれた時に、ついでに頼むべし。間違っても「ワインは赤白どっち?」なんて聞いてくれないし、おかわりもしにくくて酒飲みには辛い(TT)


ということで、次はドバイ空港に潜入編。



ドバイってどんな国?

>>Introduction

 2010年5月末からマルタ共和国に旅をしたのですが、航空会社がエミレーツだったので、ドバイ空港を経由(福岡→関空→ドバイ→ラルナカ(キプロス)経由→マルタという恐ろしく長いルートww)するついでに、ストップオーバーを利用して、ドバイを25時間ほどうろついて参りました。その記録(往復の空港、機内&市内散策)を書き残しておきます。
 
※ストップオーバーとは:http://bit.ly/cBqsZy(ウィキペディア)
 
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>>Wonderland, Dubai
  ドバイという街の名前は有名でも、まず日本で知られていない、そのロケーション。なんとなく中東のどこかと思ってる人が殆どではないだろうか。
 
 そもそも「ドバイ」は国名ではなく(笑)「UAE(United Arab Emirates/ユナイテッド・アラブ・エミレーツ/アラブ首長国連邦)」の都市の名で、首都でさえなく(首都はアブダビ)、左の地図にあるように、ペルシア湾の南側にある、ちっこい港町だ。
 
 
 そんなドバイがなんで高級リゾートとして有名になったか。それは、市中を二つに分割するクリーク(運河)を生かし、積極的な貿易政策を行ったことと、外国からの移民の受け入れで街の規模を広げたから(ドバイ人いわく)。

 いまもドバイの居住者の大半は、近隣諸国や中国からの出稼ぎで占められる。タクシー運転手なんて、インド人ばっかり。ドバイらしさがない所が、かえってドバイらしいという、不思議な街なのだ。

 右の図は、ドバイ市街地の略図。海沿いに横長く発展を続けるのは、気温40℃を超える砂漠気候のためなのだろうか。テーマパークのようなショッピングモールに、宮殿さながらのホテル。道にはフェラーリやランボルギーニが連なり、海に突き出た人工島には、ベッカムやビル・ゲイツの別荘が建ち並ぶ。

 まるで砂漠の蜃気楼のような、バブリーな都市ドバイ。お金があれば究極の贅沢が味わえるが、そうでなければ暑いだけのコンクリートジャングル。その不思議の国、ドバイの一日を駆け足で体験してみた。日本とは価値観も文化も違う、夢のようなアラビアン・ナイトを、女一人旅でレポートしてみた。
 
 
 

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