NZ北島縦断:ケンブリッジで馬に会う

 

 

>>Camblidge stud

 NZ到着翌日、早朝にオークランドを出発。現地サプライヤーのアンジェラが運転するバス(キャンピングカー)で、南下すること約2時間。牧場というより豪邸な感じの「ケンブリッジスタッド」に到着。

 北島の中央部に位置するケンブリッジは、サラブレッド牧場の密集地で、中でもこの「ケンブリッジスタッド」は、なんとあのエリザベス女王も訪問したという名門中の名門。南半球一の繁殖牧場なのだそうだ。







 この牧場は、伝説の駿馬と言われる「故サー・トリストラム」が最期を過ごし、その息子「ザビール」も種牡馬として活躍中。なんとこの親子、Wikiにも載ってる超エリート馬らしい。

 とりあえず提携業務の視察のため、場内を回る。ラッキーなことに日本人スタッフがいて、仕事がサクサクはかどった。しかも季節は子馬の誕生シーズン。そこかしこに生まれて数日のベイビーサラブレッドがいて、これがもう可愛いの何の!

 さらには、滅多に見られないサラブレッドの種付け光景も見ることが出来た。ヘルメットつけてないと興奮した馬に噛まれたりして危ないんだそうだ。
 ←これが現在オセアニアNo1の種牡馬「ザビール」。一回の種付け料600万円という超売れっ子だけあって、さすがに堂々たる馬体とオーラ。種付け場にザビールが入ると、当て馬がビビって雌を譲るほどの男っぷり!

  ちなみに25歳くらいなので、人間年齢で言うと80代(驚)。それでいまだにシーズンには1日3回の種付けをこなすというから、動物ってすごい…。
 
 
>> Lunch at Camblidge town
 
   視察の合間に、牧場の近所(と言っても車で10分)の小さな町へ。庶民的なカフェでランチを取ることに。ヨーロッパと同じく店の中にも歩道にもテーブルがあり、天気がいいので外をキープ。店の中の出来合いを選んでお金を払うと、暖めて運んできてくれるデリ・スタイルらしい。
 
  ずらっと並んだパイやサンドイッチ、けっこう美味しそう。福岡にも出来て欲しいな、こういう店。カウンターにはサラダもあって、ボウルの大きさで値段が決まる。小食の人なら、サラダだけでも足りるかも。旬のアスパラガスが美味しそうだ。
 
   右は、うちの上司チョイス。平焼きパンのサンドイッチ+サラダ。思ったよりもボリュームがあった。他のメンバーが頼んだサンドイッチやグラタンも、日本のと比べると1.5倍といったところか。体格が違うので仕方がないけれど、NZに来たら「少なめオーダー」を心がけた方がいいだろう。
 
 
 
   左は私がオーダーしたタイ風のラップ。薄いクレープで野菜と肉を巻いてある。小皿にはサワークリームとタイのスイートチリソース。これが見た感じ一番ボリュームが少なかったが、それでもかなりお腹一杯になった。
 
 飲み物はシュウェップスのレモンビター。イギリス領だった国には必ずある炭酸飲料で、さっぱりした味がお気に入り。


>> Horses and Animals 
  
   「私がいちばん美人でしょ」と、揃って近寄ってきた馬アイドルグループみたいなお嬢さんたち。彼女らは同時期に生まれた1歳馬で、競りにかけられるため毛の保護コートを着てキレイキレイ中。なにしろ、NZの紫外線は日本の6~7倍。馬も日焼けをするので、高く売るためには工夫が必要だとのこと。
 
   
 


  こっちはNZ名物ひつじ追い。最近は頭数がめっきり少なくなって、牧羊犬も減ってきたが、頑張って働いてるワンコ発見。羊の最後尾の茶色い点が見えるだろうか。
 

 
  はーい、羊を追っていたお利口さんワンコが、この「テス」。1歳4ヶ月の若い犬だけど、牧場主のご主人が完璧にしつけて、ゲートからゲートへ自在に羊を操る。「賢いね、テス」と言ったら笑ってくれた。可愛い子。
 
 動物とは関係ないけど、NZでよく見かけた木のコケ。銀色に近いグリーンのもわもわが幹につく。NZ名物らしい。ついでにこの景色もご堪能あれ。
 
 
 
  キジがいた!→→
 
人間で言ったら美少年?いえいえ立派な大人のポニー(小型馬)。普段は当て馬(ティーザー)として、雌馬の負担にならずに興奮させる役割を担う。可哀想(涙)
 
 
   牧場内で取材をしていると、馬が必ず寄ってくる。匂いをかいだり、髪の毛を噛んだり。しまいには5~6頭が背後に控えて鼻息フンフン状態。遊んで欲しいのだが、邪魔なので押しやりながら撮影続行!
 
 
  繁殖牧場なので、馬の妊婦さんも大勢。ちょうど春(南半球)の出産シーズンで、こんな大きなお腹をかかえて草をモグモグ。あと数日で可愛い子馬が生まれ、2ヶ月ほどで乳離れをするのだとか。
 
 


>> Dinner in Cambridge

 我々一行が夕食に向かったのは、小さな田舎町の街道沿いのパブ。正直あんまり期待してなかったんだけど、けっこうここが美味しかった。

 私がオーダーしたのは、鮭のポアレ。肉類だと量的に食べきれないと思い、魚にしたけど大きいわ、これがまた(笑)

 下にはルッコラやクレソン、あと何という名前か判明しないNZではよく食べる葉野菜、きゅうり、ねぎ、そしてソテーしたマンゴー(!)軽い塩味と果物の甘み、ドレッシングの酸味がよく合っていた。

 他の方々が食べていたステーキ。ははは、2枚乗ってる(笑)ちょっと歯ごたえしっかりめみたいだったけど、これも付け合せの野菜たっぷりで美味しかったそうだ。

 基本的に欧米文化圏の食事は、メインを頼むと野菜がもれなくついてくる場合が多いので、私は日本のレストランみたいに「前菜とメインと…」とか頼まない。メインのみ、もしくは前菜+サラダ又は温野菜で充分。足りないときにはデザートを食べるのだ!

 ということで、甘党の某氏が頼んだチーズケーキ(?)日本で売ってるカマンベールを2周りくらい大きくしたくらいのビッグボリューム!食事の後にこれはキツい!

 味は美味しかったらしいが(私は鮭でギブアップして手を出さず)半分以上残ってしまい、お持ち帰りに。テイクアウェイ(テイクアウトは日本語ね)を頼んだら、100均で売ってるような密封容器に入れてくれた。



 こっちはNZ出身、アンジェラのパートナーで今回サブのドライバーとして同行してくれたクレイグの頼んだフィッシュ&チップス。まあ、このボリューム!こんな単調な味を山盛り食べられるのか(笑)
 しかしこの人、昼もサンドイッチとグラタンをペロリと平らげていた大食漢だけあって、あっさり完食。たぶん1500カロリーくらいあると思う。恐るべし、NZストマック。

  こちらは、 本日のワイン「Toi Toi(トイトイ)」。トイトイとはNZ原産の植物で、すすきに似た穂を持つ。道端に生えているようなお馴染みのもので、北島南端のワイン産地「ホークスベイ」で製造されている。


 ちなみにアンジェラとクレイグのホームタウンがホークスベイ。白がうまいというので頼んでみたが、確かにさっぱり・すっきり淡麗で美味しいワインだった。これで1500円くらい。店で買ったらその半値くらいだろう。日本でも最近は輸入ワインが安いが、現地価格で上モノを飲めるので、ついつい海外ではワインの量が多くなる。単なる言い訳か(笑) 
 

 
 賑やかな我々の食事風景。うちの会社2人、原料メーカーさん、貿易会社さん、アンジェラとクレイグ、計6人の不思議な人種混合チームだ。

 中央のビアジョッキに入っているのは、カリカリポテトフライ。突き出しみたいなものだろうか。ケチャップをつけて、みんなパクパク食べていた。じゃが芋は世界のデンプンである!
  

 この日は数箇所の牧場を回り、いっぱいの自然と動物に触れ合った。次はさらに中部へ。あの映画のロケ地から、温泉の町を目指す。

ニュージーランド牧場物語







>>A business trip to New Zealand

 2010年11月13日より22日まで、社用でニュージーランド(北島)に行ってきました。業務提携をしている現地サプライヤー、貿易会社、原料製造会社の方々と一緒に、牧場視察が主な内容でしたが、その途中で拾った光景を記録しておきます。


【訪問ルート】オークランド→ケンブリッジ→マタマタ→タウポ→ホークスベイ→ヘイスティングス→オークランド

期間・・・2010年11月13日~11月22日


航空会社・・・タイ国際航空

ルート・・・福岡→スワンナプーム→オークランド

所要時間・・・フライト約16時間(直行便は11時間)、トランジット約4時間

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>>Overview of New Zealand

 日本との位置関係は左の図がわかりやすい。よく「オーストラリアは赤道をまたいで日本の真南」と言われるが、その南東2.000kmにあるのがニュージーランド(以下NZ)だ。
 
 海域としては南西太平洋ポリネシアに属し、2,600km南には南極大陸、北にはトンガ、ニューカレドニア、フィジーがある自然の楽園。日本と同じく島国で、北島、南島の二つの主要な島+小さな島々あわせて総面積268,680 km²を有する。
 
 イギリス連邦加盟国であり、英連邦王国の一国である。9世紀頃、ポリネシア人開拓者が住み着き、その子孫が先住民族のマオリ人となった。NZの古称である「アオテアロア」は、マオリの言葉で「長い白い雲の土地」という意味を持つ。
 今回私が訪れたのは北島で、首都のウエリントン、国内最大人口を有するオークランドは共に北島にある。火山活動が活発で、火山熱で湧き出すロトルアの温泉は、昔から保養地として有名だ。また、NZ最大のタウポ湖、ワイトモ鍾乳洞の土蛍、良質なワインが生産されるホークスベイなど、見どころは多い。

 一方、南島は北島より一層ワイルドな大自然に恵まれ、中心地のクライストチャーチからは、世界中の登山客が「南半球のアルプス山脈」と呼ばれる雄大なサザンアルプスの山々を目指してトレッキングに出発する。

 中でも最高峰は3,754m のクック山で、マオリ語ではアオラキ(雲を貫く)という意味があるほど、堂々たる姿でそびえたつ。さらに、この他にも3,000m以上の峰が20近くあり、山間に点在するタスマン氷河やミルフォード・サウンドなどの景勝地も、目に鮮やかな絶景で人気を呼んでいる。


>>Maori people
 NZを語る上で重要な先住民族マオリ。左は伝統的な戦士の装束を着た若者だが、現在では現代的なスタイルでの生活を送っている。ただし、入植国家における問題として、アメリカなどと同様に居住地や天然資源に関するトラブルは歴史の上で絶えなかった。
 近年は国がマオリの人々に国有財産の一部を権利譲渡し、平和的な共存体制を保っている。一例としてロトルア温泉などはマオリ所有であり、その収益で生計を立てているマオリも少なくない。
 









 ちなみに、NZが世界に誇る名門ラグビーチーム「オールブラックス」では、試合前にマオリの伝統舞踊である「ハカ」を舞う。戦闘ののろしであり、歓迎であり、部族の歴史語りでもあるハカは、マオリの誇りそのもの。そして、マオリの若者も多く属するオール・ブラックスは、NZ国民の夢のチームである。屈強な選手たちによる迫力のハカが始まると、会場は熱狂の渦に包まれるという。
   
>>Animals in NZ

 豊かな自然に恵まれたNZは、動物や昆虫の宝庫。孤立した島国であるため、独自の進化を遂げた生物も多く、それらを保護するために政府では厳重な検疫や生態系の維持政策がとられている。中でも手厚く保護されているのが、キウイ。

 ブッシュの中に生息し、夜になると虫を食べに出てくる。羽は退化して飛べないのでヨタヨタ歩くばかりだそうだ。フルーツのキウイは、この鳥に似ていることから名前がつけられた。

 もしトレッキング中にキウイに出会ったとしても、絶対に捕獲してはならない。見つかったら自身が刑務所行きだ。それほど、NZでは野生動物関係は厳しく処罰される。どうしても生きてるキウイが見たい人は動物園のキウイ暗室へ。運がよければ巣から出てきてくれるだろう。

 こちらは同じ鳥でも巨大サイズ。ダチョウの仲間の「モア」という鳥で、乱獲や環境の変化がたたって絶滅してしまった。大きいものになると、なんと3mくらいあったそうだ。博物館では剥製が展示してあるとこのだが、このサイズの鳥が駆けるところを見てみたかった。ちなみに、モアもキウイと同様に羽は退化している。

 この他にも手のひらサイズの巨大昆虫「ウエタ」や、黄色いNZペンギン、角の生えたトカゲなど、NZには珍しい動物が多数生息する。蛇や猛獣など、天敵となる生物がいないからだと現地民は言うが、増えすぎないところを見ると何らかの捕食関係はあるのだろう。


 以上、自然の宝庫であるNZへ、現地の春に当たる11月中旬~下旬に訪れた。最大の目的は牧場で生まれたばかりの子馬だが、羊や緑の大地に胸膨らませて人生初のオセアニアへ。まぶしい太陽に焼かれながら、実に有意義な9日間を過ごした。


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