中環/100万ドルの夜景とミシュラン雲呑麺

>> The Victoria's Peak


 香港のガイドブックに必ずバーンと載っている、代表的な光景といえば、やはり「100万ドルの夜景」だろう。基本、高い山のない香港にあって、香港島の中央に位置する「ビクトリア・ピーク」は、唯一街を見下ろせる小高い丘である。

ここから見る夜景はまるで宝石箱のように美しく、映画「慕情」でジェニファー・ジョーンズとウィリアム・ホールデンがデートをする舞台としても有名だ。もっとも今はビルが建ち、土産物やレストランがひしめくベタな観光スポットになり、スクリーンの中で輝いていた緑の丘は見る影もない。

ここへ行くには、ピークトラムという登山列車が人気がある。香港の町並みを眼下に見下ろしつつ、急勾配を登るレトロな列車はムードがあるが、いかんせん常時長蛇の列なのだ。なので私は今回、スターフェリーの港から出る二階建てバスを利用した。これならほぼ確実に座れるし、二階のいちばん前の景色は気持ちいい。しかも、値段がトラムより格段に安い。時間は多少かかるが、香港のセレブたちが暮らす高級住宅地を眺めつつ、山肌をうねうねと登っていくのも、また面白いものだ。


ピークタワーに到着。普通に山の斜面を利用した展望台もあるが、このビルのてっぺんにスカイテラスという展望台があり、20ドル払うと最高の高さから街を見下ろせるということなので、そこに行ってみることにする。



まだ夜景には時間が早かったので、周囲をうろうろ。右は昔のトラムが展示されているコーナー。中にも入れる。昔のシートのままなので、好きな方にはたまらないかも。








そうしているうちに日が暮れてきたので、タワーに登る。写真の建物の、最上階が展望台になっている。ここもオクトパスカードでトゥッとして入れる。平日でも鬼のように混んでいるので、行かれる方はちょっと覚悟を。しかし、何よりの恐怖はその寒さだ。南国香港なのに、寒い!夏でもカーディガンくらいあった方がいいと思われ。


その寒さに耐えて撮った写真がこれ。

この日はガスっていたので、光がイマイチ。そこで、手すりにひもでカメラをしばりつけ、オートからマニュアルに切り替え、開けて二重露光することにしてみた。

そうして何とか光が拾えたのが、右の一枚。本物は、とてもこんなものじゃない、躍動感のある輝き。まさに100万ドルの称号にふさわしい。


時とともに町の明かりも変わるだろうが、このロケーションから眺める香港がゴージャスであることは、変わらないだろう。




>>Tasty Congee & Noodle Wantun Shop(正斗麺粥専家)


さて、夜景を目で楽しんだら、次は食い気(笑)バスで再び中環に戻り、IFCモール内にある「正斗麺粥専家」にて遅めの夕食を。

ここは元々お粥と麺のカジュアルなレストランなのだが、ミシュランで星がついたせいか、えらく小奇麗でスノッブになってしまった。

そこで、かの昔いただいて感動した味は今いかに、ということで今回は同じメニューにトライ。香港の麺の代表である「鮮蝦雲呑麺」(海老ワンタン入りスープ麺)と、「又焼腸粉」(腸粉=チョンファン/小麦粉を薄く蒸し焼きにして具材を巻いた中華クレープ)をオーダー。

お味は気のせいか、若干薄味になったような?それでも、ここの雲呑麺が抜群に美味しいことは間違いない。ゴムみたいに引きのある、細い麺。魚の旨みが凝縮されたスープ。これぞ香港。

そして腸粉は、あくまでもなめらかツルン。中に巻かれた又焼が、甘くてよい味を出していた。辛子をきかせていただくと、さらに美味しい。

この後、モール一階のシティスーパーにて、スターフルーツとワックスアップルを買ってホテルへ。明日はがっつり街歩きをするので、体力回復のためすぐにベッドへダイブ!

九龍/スターフェリーで海を渡る

>>Honkong station & IFC Mall

香港空港から街へ入るとき、多くの人が利用するエアポートエクスプレス。その香港駅の上に建っているショッピングモールが「IFCモール」だ。

ここは近所にあるランドマークなどに比べて、新しくカジュアル路線。外国人向け高級スーパー「シティスーパー」や各種ファーストフードも入り、地元の若者と観光客ごっちゃになって朝から晩までにぎわっている。

中の造りは相当複雑なので、慣れないうちは地図とにらめっこだが、そのお陰で旧正月の飾り付けを何箇所か見られた(要するに迷った)。そのひとつがこちら。赤いお札はお金を表す。金のなる木、金運アップということか。

このモールは空港へのアクセスのほか、買い物や食事でも利用したが、何より九龍へ渡るスターフェリーへの通り道として便利に利用させてもらった。このモールのすぐ北側が船着場になっていて、モールから直でつながっているのだ。


>>Star ferry port
IFCモールから通路を通って港へ到着。この一帯は、香港駅からバスターミナルを挟むように中環港と、香港島中心部の交通の拠点となっている。

中でも「天星小輪(Star ferry=スターフェリー)」は、香港ならではの交通機関。ビクトリア湾を見渡しながら、ゆったりと7分間の船旅を楽しめば、そこはもう尖沙咀の繁華街。しかも片道2.5ドル(約30円)とあって、地下鉄が整備された今も、市民の足としてフル回転している。



乗るときは、自動改札にオクトパスを「トゥッ(こちらではピッのかわりにトゥッと言うようだ)」として通過。もちろん切符も買えるが、小銭が面倒なので香港では全てオクトパス。乗り場に着いたら、時間が来るとゲートが開くので好きな所に着席。

船内はどことなくノスタルジックな趣で、シートに星のマークの革が貼ってある。スターフェリーのマークなのだろうか。固い椅子なので乗り心地はよろしくないが、やはり波の上を走る爽快感は最高。どこの国に行っても、海上交通に乗らずにいられない性質だが、とりわけスターフェリーは好きだ。

ちなみにこの通常のルートのほか、スターフェリーは別料金で観光クルーズも行っている。毎夜行われるレーザーショー「シンフォニーオブザライツ」の時間に合わせて乗ってみるのもいいだろう。さすがに一人旅ではロマンチックすぎるイベントだが(笑)


>>HongKong Museum of Art

前回の香港でいちばん好きだったのが、「香港藝術館(ヒョンゴンガイソッグン)」。尖沙咀の港を下りて、海沿いのプロムナードを東に行くと、すぐに大きな四角い建物が見えてくる。

この日は曇っていたので見晴らしはイマイチだが、晴れた日にはこの遊歩道からビクトリア湾をはさんで、くっきりと中環の景色が見える。カップルで散歩するにはぴったりのコースだ(ふん)

普通はここからペニンシュラブティックだの尖沙咀の繁華街だのに繰り出すのだろうが、私は香港ならではのアート体験へ出発。一階で券を買って、2階の入り口へGO。

入場料は10ドル。この日の特別展「触るアート」に逢わせて、立体パンフレットとよくわからないメガネをもらった。











私がこのミュージアムを好きな理由は、休日の昼間だというのに、ものすごく静かだということ。この日の特別展は、レプリカの彫像を並べて、直に触って感じてくださいという企画。おっちゃんが嬉しそうに女性の像のお尻や胸を触っているのを見て、噴出しそうになりながらけっこう楽しめた。


さらには常設展として、香港の歴史的なアートの数々や見事な焼き物、書簡など見ごたえある展示が楽しめる。

最後はお楽しみのミュージアムショップ。ゴタゴタに並んだ雑貨をかきわけ、ちゃっかりお目当ての「アラン・チャン」デザインのトレーや中国茶セットなどをゲット。どんな感じかは、ここをご覧あれ。



>>星林居 (Sing Lum Khui)

さて、お腹がすいた。何を食べよう、ということで足を向けたのが「星林居」という麺屋さん。香港には様々麺料理があるが、ここは「米線」(マイシン)という、米でできたビーフンとそうめんの中間みたいな麺を食べさせる専門店。香港内に確か3つくらい支店があったのではないだろうか。

チムの大通りを一本ハーバーシティ側に入った、裏通りに目立つ黄色い看板。ここは注文方法が独特で、このようなシートに自分で好みの具材やスープの味付けを書いて店員に渡す。


基本のスープは「中辣(ジョンラー)」で日本の激辛。私はけっこう辛いのが好きだが、それでも中辣でウッときた。慣れない人なら「小辣(シウラー)」で。辛いのがダメな人や子供には「走辣(サウラー)」。こちらでは「走」というのが「抜き」になるようで、基本のネギやコリアンダー(茜/香菜/パクチー)も増減可。そこへ好みの具材をトッピングして完成だ。


はいおまち。すごいボリューム(笑)

これを解説すると、中辣・中酸・汁あり麺チョイス。基本具材はネギとコリアンダー増量、にら、もやし普通。そこへレタス(生菜/サンチョイ)と魚蛋(ユイダン/魚の餃子風練り物)をプラス。

正直、上に乗ってる野菜だけでお腹いっぱい。でも、お味は美味しかったし、麺もつるつるして食べやすかった。

ちなみに値段は基本21ドル+トッピング4ドル~。だいたい30ドルもあればOKな庶民グルメだ。


>>Walk around Tsim Sha Tsui


お腹も満たされたところで、のんびり街歩き。尖沙咀は東京で言えば新宿とか渋谷みたいなノリで、ショッピングから飲食から何でもありのエリアだ。ただ、東京よりカオス度は高く、ハーバーシティをはじめとする巨大ショッピングゾーンの裏手には、こんなスナックスタンドや屋台風の店もひしめいている。

右:シルバーコードというファッションビル内のフードコート。この横に入っている「G.O.D」という雑貨屋がお気に入り。

こちらは「ペニンシュラ(半島酒店)」。やっぱり日本人だらけ。もともとブランド物には興味がないので、今回も地下を通り過ぎるだけ。でも、ここのチョコレートは確かに美味しい。マンダリンの薔薇ジャムとペニンシュラのチョコは、もらって嬉しい香港土産の上位5番には必ず入る。


こちらは「1881Heritage」というショッピングエリア。ペニンシュラのハーバー側にあり、ヨーロッパ調のつくりが若者にウケているのか、結婚式の撮影が行われていた。

しかしこっちのカップル(中華圏の人たち)、めっちゃポーズ取る、取る!まるでタカラヅカみたいな、大げさなポーズでにっこり。専属のカメラクルーがついて、ドレスのすそを広げたり、花びら撒いたり、もう大変。人前でそんなこと恥ずかしい、という概念が違うのだろうが、間近で見ると少し面食らってしまう(汗)

>>Hui Lau Shan(許留山)

香港リピーターの方なら言わずもがなの「許留山(ホイラウサン)」。もちろん行った!食べた!マンゴーばんざい!!!

日本ではあまり知名度がないが、ここと「糖朝」が香港でマンゴープリンを流行らせた火付け役と言われる、フルーツ系スイーツのチェーン店。

今回は新たに香港で大ブームの「楊枝甘露」にトライ。ココナツアイスにマンゴーとココナツソースをダブルでかけ、ザク切りマンゴーとポメロ(グレープフルーツに似た柑橘類)をトッピングしたもので、甘すぎずフルーツ感たっぷり。美味しすぎてもう、疲れが吹っ飛んだ。スイーツは偉大!


「許留山」のスイーツメニューに悶えたい方はこちら→http://www.hkhls.com/


>>Avenue of Stars(星光大道)

ビクトリア湾に沿った遊歩道、東側にあるのが「Avenue of Stars」。よくテレビ番組などでも取材されている、スターの名前の刻まれた道だ。アメリカの「マンズチャイニーズシアター」にも似た観光名所で、さすがに映画の都・香港らしく、ずらりと並んだスターの名前に圧倒される。中でも私の好きなスターたちといえば…
はい、兄貴!師匠!尊氏!先生!私が小学生時代から憧れ、その高みに触れようと敬い続けている「李小龍(Bruce Lee)」の名が…しかし、没後に作られた施設なので手形なし。寂しい限りだ。っつーか、めっちゃ陰が写ってるし(笑)




こちらは「成龍」、「ジャッキー・チェン」の手形。現代の香港を代表するスーパースターとして、こちらではウルトラグレートな存在であるらしい。

薬局でジャッキーの顔が付いた育毛剤を見た。ジャッキーが「生える」と言えば生えるのだろう。彼が行きつけの高級レストランには、その名が付いたメニューもあるらしく、もう長年この町には住んでいないのに、やはり彼はイコール香港であり続けるようだ。


こちらは個人的な趣味で「マギー・チャン」。もう、ウォン・カーウァイ監督の「華様年華」で見た彼女の姿にやられてしまい、私の中ではきれいな中国人女性の代名詞になってしまっている。

手形より、あのチャイナドレスのラインを残しておけないだろうか。フィガロで特集を組まれていた、あのグラビアもきれいだった。次に生まれてくるときは、ああいうボディバランスに生まれてきたいものだ。


最後は涙の一枚。大好きな大好きなレスリー・チャン。悲しいことに、中環のホテルから飛び降り自殺をはかってしまったが、今もフィルムの中で彼の輝きは色あせない。

作品では「ブエノスアイレス」が好きだった。ちょっと寂しげな目で笑う、なんともいえない表情がレスリーの魅力だ。享年46歳にも驚いた。もっと若いと思っていたが、下積み時代が長かったようだ。

締めの一枚はこれしかない(笑)

「Don't think, feeeeel !!!!」もちろん叫んできた、海に向かって。このブロンズ像の周りはいつも人がいっぱいで、しかも午後は逆光なので、なかなかシャッターチャンスがないが、気にせず撮った。

この像の向かい側に土産物がいくつか並んでいて、いちばん東側のショップに李小龍グッズが置いてあった。とは言ってもメモ帳やコップ程度のもので、伝説のスターではあっても香港ではもう栄光は過去のものらしい。

初めて来た香港で、黒檀鉄芯のヌンチャクやカンフースーツ一式を買い込み、検査で引っかからないかとドキドキしながら荷物を預けた日が懐かしい。


さて、日も暮れてきたので、ふたたびスターフェリーで香港島へ戻る。





上環/茶餐廰から文武廟へ

>>Tsui Wah Restaurant

香港には「茶餐廰」(ちゃーちゃんてぃん)と呼ばれる飲食店が存在する。朝昼晩ごはんをフォローし、老若男女を受け入れ、メニューもトーストやコーヒーからスイーツ、中華、洋食なんでもあり。要するに、香港式ファミレスなのだが、私のような「食」が目的の旅行者にとっては「なんで美食の街で、あえてファミレス?」と思ってしまう、ちょっと不思議なジャンルの店である。


しかし、香港人は茶餐廰が大好き。町を歩けばあちこちに茶餐廰の看板が見える。


中でもこの「翠華餐廳」は日本のファミマ並みに目にする、香港茶餐廰のスタンダード。この日は旧正月が近かったので、店内はご覧の通り満艦飾だった。

このキッチュでファンキーなムードの中、香港式朝ごはんをいただく。一日中使える茶餐廰だが、ジモティに徹しようとすれば、ここは間違いなく朝食をチョイス。観光用ではない、リアル香港がそこにはある。

左のメニュー。これが朝のセットだ。いちばん上、「通粉」と書いてあるのが定番のマカロニ。コンソメスープでグダグダに煮込んである。そして2番目の「公孔麺」はインスタントラーメン。香港では出前一丁が麺の王者で、スーパーにも10種以上の袋麺が並ぶ。そして茶餐廰は堂々とそれをメニューに出すのだ。炒麺になっている場合もある。これも当然グダグダ仕上げ(笑)

で、3番目なのだが、「螺絲粉」これはねじりパスタと想像できる。マカロニと出前一丁は」体験済みなので、初めて見るこいつをオーダー。さてどんな味付けか。ちなみに、このメインメニューにバターたっぷりの香港トーストと飲み物がセットで27ドル(約280円)。庶民はこういう朝ごはんを食べて出勤するのだ。


はい、来た「螺絲粉」。よく見たら英語で説明が書いてあった。スープをあらわす「羅宋湯」=ボルシチで、「螺絲粉」は想像したとおりパスタのフジッリ。それにキャベツやにんじんなどが一緒に煮込まれている。

どっちかというと、ビーツの赤ではなくトマト味のミネストローネだが、まあそんなに突飛な味でもなく学校給食程度のレベルには達している。もちろん茹で加減はグダグダ。香港にアルデンテという概念はないらしい(笑)



こちらは「鴛鴦茶(いんよんちゃー)」。これも香港独特の(上海にも一部あるそうだが)飲み物で、なんとコーヒーと紅茶のミックス。本来はどちらか選ぶのだが、ワガママ言って作ってもらった。お味はこれが、意外といけるのである(笑)紅茶の香りが思いのほかキチンとする。コーヒーが薄いからかもしれない。

これが香港トースト。店では「バン」と書いてあった。イングリッシュマフィンのチャラい感じ、と言ってもわかりにくいか(笑)丸いパンを二つ割にして切断面をパリパリに焼き、たっぷりのバター(マーガリンっぽいが)を、塗ったものが熱々で出てくる。

このほか、茶餐廰には「菠蘿飽(パイナップルパン)」や「三文司(サンドイッチ)」など、粉モノ系も豊富にあり、ちょっとしたおやつや軽食も楽しめる。高級ではないが、けっこう楽しいところだ。



>>Man Mo Templ(文武廟)
朝ごはんを食べて、やってきたのは「文武廟(マンモウミュウ)」。香港島の北湾岸部西側、上環の駅から歩いて10分ほどにある、ビル街のお寺だが、ここが驚くほど歴史が古い。

イギリスの植民地時代、1847年に建てられた、道教のお寺で、「文武」という名が示す通り、文学と武道の神が祀られている。高層ビルの建ち並ぶ中に忽然と姿をあらわす様は、タクシーで到着すると「えっ」と思うほどシュールである。



ここの特徴は、なんと言っても巨大な渦巻き線香。直径30cmくらいある円錐形の線香が、天井から無数に下がっていて、室内にはもうもうと煙が充満している。









これは、香港では死者を弔うのに線香を絶やさないという習慣から来たもので、なるべく長持ちする線香をお供えしようという考えかららしい。
それにしても、煙い。目が痛くて涙がぼろぼろ。天井の一部に空気の抜け道があるというが、ここで働く人々の肺は大丈夫かと心配になる。しかし、建物内の雰囲気は香港のムードたっぷり。赤と金と煙の世界を体験したいという方には、非常におすすめなスポットではある。


>>Walk around Sheung Wan

お寺を出た後、上環をぶらぶら。ここらは古い香港の商店や地元密着型の施設が多く、その中に現代的なビジネスが息づいている。観光施設の多い中環より、もっと今の香港が集約されている感じ。

そんな中で目立つのが、西洋との交錯だ。もともとイギリスの植民地だっただけあって、もろ西洋人向けのショップやレストランも多く、このようなチーズを専門に扱うイートイン付きのグローサリーや、ワインのカーヴなどに路地のあちこちで出会える。


坂が多いのも、このエリアの特徴。延々と階段が続く道の端からまた、新しい階段が続き、その両サイドに雑多な街が展開する。この無秩序が香港であり、混沌の魅力を生み出している。

右は映画「恋する惑星」にも登場した、ヒルサイドエスカレーター。上環の山手に暮らす人々のため設えられた、世界一長いエスカレーターだ。(残念ながら金城武はいなかったw)これも香港の今を描き出す、代表的なシーン。



しかしその一方で、別の香港もある。

日曜の朝、駅に新聞紙をひいて座り込む、東南アジア系の女性の集団。これはフィリピン系を中心とする家政婦(アマ)さんたちで、休日に家族で過ごす雇い主のため、暇を与えられこうして駅や公園にたむろしている。これもまた、発展し続ける香港の裏の顔だ。






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