スパイスと金キラのスーク(市場)へ



>>Spice Souk
 スーク(市場)は、私がドバイで行きたかった場所のひとつ。さっきアブラに乗る前に撮った写真の対岸、近代的な高層ビルの足元に、いかにもアラビアンな市場が広がっていようとは、旅行者には想像できまい。


 今は地元の人間向けというより観光客向けになっているようだが、それでも独特の「ヤバさ」と「アラビア感」が、これでもかと楽しめる。まずはスパイスのスーク(市場)から。


 スークに足を踏み込んで「わっ」と思うのは、その匂い。カレー粉に花の香りや線香の煙、柑橘系やハーブが混じったような、ひどく複雑でエキゾチックな臭気が襲ってくる。


 それもぞのはず。暗くて狭い通路の両側に、間口の狭い小さな店がギュウギュウひしめきあい、それぞれにめまいがするような種類のスパイスを売っているのだ。世界にはこんないっぱいのスパイスがあったのだと、感動する瞬間。

 実はこの日は休日なので、スークも半分以上が閉店していたけれど、いくつかの商魂たくましい店が開けていた。右の写真は、その内部。店の前の樽に盛られた色とりどりのスパイスも迫力ものだが、狭い間口を入ると広がる光景は、とんでもなくエキゾチックで異質なものだ。

 ぐっと寄った図が左。


 スパイスの瓶詰め、豆、お茶、線香、なんだかよくわからない香油、クッキーやデバイ名物のチョコデーツ(デーツ=なつめの実にアーモンドを詰め物にし、チョコでコーティングしたもの)、あれやこれや。

 私はここでアラブの人には欠かせない「乳香(フランキンセンス)」を購入。これは樹脂の一種で、炊いてお香にする他、食べて薬の代わりにもなる。ただし上等なものしか美味しくないので、「ちょっと食わせろ」
「まけろ」「もっとまけろ」の攻防戦の結果、100g瓶を半値(500円くらい)でゲット。


 この他、スパイススークには小物や工芸品、スカーフだらけの店や、アバヤを売る店、様々なショップがひしめいている。

 右の店は、シーシャ(水煙草)の専門店。シーシャパイプを買おうかどうかずいぶん迷ったが、煙草を吸う習慣がないことと、炭火を起こす面倒からパスした。値段は2000円程度から上は細工によって際限ない。
 ちなみにこの水煙草、普通の煙草とは全く違う香りがする。林檎、レモン、ピーチ、シナモン、ミント…まるでキャンディーのようなフレイバーがついていて、カフェのシーシャルームからは、ふわっと甘い香りが立ち上る。1時間ほどかけて、ゆったり社交の場で楽しむものなのだそう。



>>Gold Souk

  「スパイススーク」から歩いてわずかな距離にある「ゴールドスーク」。こちらは見てのとおり、金の取引がされている市場だ。



 日本でも御徒町などに金の店が並んでいるが、その量と派手さがドバイはすごい。もともとこちらでは、金を財産として蓄財するためか、子供でも金の首輪をつけていたり、アクセサリーの好きな民族のようだ。

 特に多いのがバングル。ご覧のように果てしなく腕輪の列が続く。値段は交渉しだいでかなり変化するらしく、高いものほど値引きも大きくなる。自分の好みでデザインしてくれる店や、宝石を扱っている店など、光り物に目のない女性には、非常に興味のある場所だろう。逆に私のような貴金属に興味のない人間にとっては「へぇ」で終わる(笑



 ところで、スークの近隣で多く見られた、「ただ座っているだけ」の男性たちについてガイドさんに聞いてみた。すると、
 「あー、あれは休みの人たちが涼んでるんです。家は暑いの。出稼ぎは冷房もない部屋にいっぱい住んでるから」

 なのだそうだ。うまく勤務時間や休みが分かれればいいが、そうでなければ自分の家で眠れない悲劇もあるそうで、それでもドバイには、その苦労を上回る魅力があるのだろう。
 

 最後に、スークの中のジューススタンドで生ジュースを飲んでみた。ドバイは暑い国だけに、水分補給は大切。あちこちで水が安価で売られているほかに、こういう生ジュースの店も多い。ただし、値段は贅沢プライス。水は一本60円なのに、こっちは500円を軽く超える。

 頼んだのはドバイ名物「レモンとパセリ」。日本でイタリアンパセリと呼ばれる平たい葉のパセリとレモン、砂糖やはちみつなど入れたヘルシーな定番の味なのだそう。ちょっと私たちの舌には慣れない味だが、いかにも体によさそうな気がする。この他に、様々なフルーツのジュースやそれらをミックスしたもの、椰子の実も置いてあった。


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