上環~中環/庶民どっぷり編

>> Congee House


さて昨日はジャンクな香港ジモティ飯で朝食を済ませたが、今日は観光客らしく、いかにも香港を満喫したい。と、なるとやはり朝は中華粥だろう。

香港の人たちはソトアサ族が多いのか、朝から湯気がもうもうと立っている店があちこちに見られる。近所の粥屋や屋台の饅頭売りで手軽に済ませるのも良いのだが(まずどこも美味い)、自分の中で「香港一」と確信している粥屋が上環にあり、そこの味が頭から離れないので、トラムに乗って食べに行くことにした。




香港の粥屋は、専門店もあるが、大抵は「粥麺専家(ヅォツミンジンガー)」といって、お粥と麺類を出すようだ。さらに、それらと一緒に食べるサイドメニューとして、油條(ヤウティウ=揚げパン)や油菜(ヤウチョイ)などが用意されている。

また、店により、朝は粥だけで昼から麺も注文できるなど営業形態は様々。さらには豆漿(トウジャン)と呼ばれる豆乳のスタンドもあって、本当に香港の朝食シーンはにぎやかだ。



やがてお目当ての店「羅富記(ローフーケイ)粥麺専家」に着いた。少し時間をずらしたので空いていたが、朝のピーク時は殺気立った広東語が飛び交い、観光客には辛いムードだ。

席に着くと、おばちゃんが何か言いながらやってくるので、すかさず「ペイダンザウヨ!」。これでうなずいてくれる。私が注文した「皮蛋痩肉」(ピータンと塩豚)は定番中の定番なのだ。


写真の黒いものがピータン。このお粥、日本円で一人前260円ほどなのだが、高級食材であるピータンがまるごと一個くらい入っている。何とも言えない弾力と独特の風味。そして「痩肉」であるところの、豚の塩漬け、これが本当に美味しい。ちょっとしょっぱい豚肉が、グダグダに煮込まれて繊維のように裂け、お粥のだしになっている。

洗ったお米に油をまぶして炊く、クリーミーな中華粥。日本ではなかなか食べられない、香港の朝のご馳走だ。


>>Down town



朝食後は、上環から中環にかけて街歩き。ここらは猥雑ではあるが、よくテレビで見る尖沙咀の看板だらけの光景とは、少し違う香港の街並みが見られて楽しいエリアだ。特徴としては、中南部にピークがある香港島の地形から、坂が多い。そして坂を利用して造られた店や屋台や、庶民の生活のあれこれが面白い。


右の写真はソーホーと呼ばれる、丘の中腹部のエリア。やや裕福な香港人や外国人などが多く住む、いまどき流行りの一角であるらしい。


残念ながら時間が早すぎてまだ賑わいはなかったが、バーやカフェなど西洋的な飲食店が多くみられる。このあたりは映画などでもロケが多いようだ。



かと思えば、少し裏道へ入ると「いかにも香港」な乾物屋があったり。

なにこれ、どうやって食べるの?みたいな、不思議な姿の乾物たち。なんとなく春雨みたいなものだけわかるような…。旧正月の飾りを売る店。お年玉の袋も売っていた。使用人やレストランの従業員に、小銭を配るのだそうだ。


>>Luk Yu Tea House(陸羽茶室)

ランチはベタにいく。上環から買い物をしながら中環のランカイフォン近くまで帰ってきて、超有名店「陸羽茶室」へ。ここで飲茶をいただく。

この店はガイドブックにも必ず載っている老舗茶室で、庶民向けというより少し高級。ガヤガヤした大箱の飯店ではなく、クラシックなインテリアの中で、観光客や地元のフフン、てな感じの方が優雅に茶を飲む。


そう、茶を飲む。ここは茶室というだけあってお茶が美味しい。普通の飲茶では普耶(ポーレイ/プーアール)茶か、ジャスミン茶がせいぜいだが、ここでは黒茶も緑茶も白茶も飲める。


今日は最も好きな「寿眉(サウメイ)」をオーダー。白茶の一種で爽やかな風味。飲んだ後にわずかに来る甘さが◎。しかし劣化するとえぐいので、質と淹れ方が難しい(と思う)お茶だ。
点心は、定番の叉焼包子(甘い焼き豚の蒸し饅頭)と鮮牛肉市焼売(牛肉のシュウマイ)、蘿蔔糕(ローバッコウ/大根餅)。
黄色い練り辛子と赤い唐辛子味噌、酢、生姜の千切り、酢、醤油、大根餅のたれなど、好みでつけながらいただく。個人的には、」焼売がいちばん気に入った。酢と赤い辛子がとてもよく合う。


陸羽茶室の店内。おひとり様でも、気兼ねなく座れる壁際の小テーブルがある。客が来ると同時に、オリジナルのお皿がさっとセットされ、オーダーしたお茶がカップに注がれる。


香港名物の「洗杯(サイプイ=食べる前に茶碗を熱湯やお茶で洗う習慣)」もなし。真っ白いテーブルクロスは、客が変わるたびに取り替えられ、刺し湯もこちらが言う前に点検して足してくれる。メニューが少なく値段が高いのに目をつぶれば、女性ひとり旅でゆっくり食事をしたときには良い店だと思う。










次は、その他香港の食あれこれ・・・







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